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【No.772号】 【発行日】2018/2/5 [8-2]
 つれ連れ草 -625- 練馬高等学校校長 丸茂 聡
●「情報モラルについて思うこと」

【 記事 】

 私の父は、とにかく新しいものが大好きでした。海外製の業務用掃除機やら、テレビ番組を録画するためのビデオデッキ(当時は録画用のビデオテープが一本四千円位でした)など、様々な機器がありました。その中でも、特に使途不明な品として私の前に現れたのが、発売されたばかりの家庭用コンピュータでした。今から三十数年前の出来事です。
 中学生だった私は、この出会いからプログラミングに興味を持ち、都立の工業高校を経て教員となる道に進みました。「パソコン通信(インターネットのようなものと思って下さい)」で様々な情報を得たり、少しでも快適な環境で作業をするために、コンピュータの設定を変更したりするだけで毎日を楽しく過ごすことができました。今では、仕事としても趣味としても、なくてはならないものになっています。
 当時はコンピュータ自体を使いこなすための知識が必要でしたが、この分野に関する技術の進歩はすさまじく、インターネットの普及と機器の小型・高性能化により情報収集やコミュニケーションの手段としてならば、誰でも簡単に利用できるものになっていきました。その中で問題となってきたのが「情報モラル」であり、長くコンピュータに関わってきた身として、常に意識している課題でもあります。
 「情報モラル」についてよく使われるたとえが、自転車の練習です。
 初めて自転車に乗る。という時、まずは周りに車や人がいない場所を選び、大人が補助しながら時間をかけて練習しますが、情報社会では信号機もなく速度制限もない道で、最新式のスポーツタイプの自転車に最初から自由に乗ることができる状態と同じようなものだというわけです。
 そのような中で事故を起こさないようにするためには、周りの人々の動きを観察したり、自分で制限速度を決めたりすることが必要になります。「情報モラル」に置き換えると「自分と相手が違う個性を有していることを理解・尊重し、相手の立場になって考えること」であり、「インターネット等の利用ルールを自分で定め、守ること」です。
 東京都は平成二十七年十一月に「SNS東京ルール」を示しています。この中では、情報モラルの根幹は日常のモラルであるという趣旨のもと、自他を尊重することの大切さやルールの必要性を示しています。東京都教育委員会のウェブサイトに掲載されていますので、家庭で話し合うきっかけとしてはいかがでしょうか。

 昭和42年東京都生まれ 世田谷区在住


光が丘新聞         2018/2/5

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