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【No.771号】 【発行日】2018/1/5 [7-1]
 つれ連れ草 -624- 光丘高等学校校長 永浜 裕之
●「鏡の法則」を意識して行動する

【 記事 】

 「倍返しの怪物」という外国の寓話を要約して紹介します。
 ある村に恐ろしい怪物がいました。村と外を結ぶ道をふさぎ、困った村人が強力な武器で攻撃しても、その2倍の力で攻撃を返すという、不思議な力を備えていました。
 最初の若者は、棍棒で立ち向かいましたが、その2倍の大きさの棍棒で攻撃を返されました。2番目の若者は炎で攻めましたが、その2倍の熱さの炎が返ってきました。  
 この様子を見たある若者は、意外な方法で怪物に挑みます。彼が持って行ったのはリンゴと水でした。
彼がリンゴを1つ、怪物に与えると、怪物はリンゴを2つくれました。
 次に、水を1杯、怪物に飲ませると、水を2杯くれました。
さらに彼がニッコリ笑ってみせると、怪物も笑顔を2度返してくれました。
 やがて人々は悟ったのです。接し方次第で、怪物は災いにもなり、恵みにもなるということを。
 という話ですが、皆さんは、この話から学べることはありますか。言い換えれば、何を教訓としますか?
 私は、次のように解釈します。
 怪物は、相手のとった行動をそのまま2倍にして返していますが、「この世の中も同じようなものですよ」と言いたいのではないかと思います。つまり、社会では、良いことも悪いことも、自分がやったことは自分に返ってくるということです。
 道を歩いていて、すれ違う人に「こんにちは」とあいさつをすれば、「こんにちは」とあいさつが返ってきます。しかし、無視すれば無視されますし、にらみつければ、にらみ返されます。他人はまるで、こちらの行動を映す鏡であるかのように行動します。
 このような現象を、心理学では「ミラー効果」、あるいは「鏡の法則」と言います。
まさに「他人は自分の鏡」です。自分の周りの人を見れば、自分がこれまで人に何をしてきたかが、まるで鏡を見るかのようによくわかります。
 人が笑いかけてくれないのは、自分が笑いかけていないから。
 人が話を聞いてくれないのは、自分が人の話を聞いていないから。
 人が助けてくれないのは、自分が人を助けていないから。そういう場合がよくあります。
 私たちは、何か悪いことの原因を他人のせいにする前に、一度自分の行動を見つめ直す必要があると思います。
 何もせずに、周りの人が機嫌をとってくれるのは、赤ん坊のときだけです。成長するにつれ、自律して行動しなければなりません。

 昭和36年東京都生まれ 埼玉県川越市在住


光が丘新聞         2018/1/5

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