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【No.766号】 【発行日】2017/8/5 [2-3]
 学校からのおたより 光が丘第八小学校副校長 後藤 大輔
●わくわくする夏休み

【 記事 】

 この1ヶ月ほど連日報道され、注目を集めている中学生がいます。この一文だけで誰のことかピンとくる方も多いのではないでしょうか。将棋の棋士、藤井聡太四段です。藤井四段はプロとしてデビュー以来、29連勝という大記録を打ち立てました。この活躍に伴って将棋の世界に注目が集まっていますが、藤井四段の生い立ちにも注目が集まっています。藤井四段が幼い頃に楽しんだパズルは大人気で、現在品薄状態だそうです。
 私も藤井四段の生い立ちに興味深く感じた点がありました。藤井四段と同じく中学生のときにプロになりたい、後に名人にまで上り詰めた棋士に、谷川浩司九段と羽生善治三冠がいます。この三人の生い立ちに共通点があるのだそうです。それは親が将棋をほとんどやらなかったという点です。ですから、三人は子供の頃に何かのきっかけで将棋と出会っていますが、将棋に興味をもち、のめり込み、練習を重ねる過程では、おそらく親は将棋についてはほとんど口を出さず、子供が将棋に打ち込む姿をそっと見守っていたのではないでしょうか。
 また、かつて羽生三冠のライバルと目され、第一線で活躍しながらも、病気のために29歳で亡くなった棋士村山 聖九段がいます。村山九段は幼い頃、大病のためにほとんどの月日を病院内で過ごしています。学校にも、院内学級という病院の中に設置された学校に通っていました。その生活の中で村山少年も将棋と出会いました。起きている時間のほとんどをベッドの上で凄しながら、将棋の研究に打ち込み、実力を伸ばしました。村山九段の親も、将棋を良く知らなかったそうです。
 子供の成長に環境は大きく関わっていると考えられています。しかし、ここで言う環境とは、例えば一流の指導者がいなければとか、自分専用の勉強部屋があればといった、条件面でのよい環境ということだけではなさそうです。
 日頃から耳にしている言葉も、子供の成長に関わる環境と考えられます。先日、前光が丘春の風小学校長 福田純子先生をお招きして道徳授業地区公開講座を行いました。その講演会の中で福田先生から次のようなお話がありました。
 「子供が短所と捉えているようなことでも、見方を変えれば長所と捉えることができる。子供が長所と捉えることができるような言葉を親がかけていき、子供の自己肯定感を高めていくことが大切である。」
 という内容です。先に紹介した棋士の親も、将棋のことがよく分からないながらも、日頃から子供を励まし、自信がもてるような言葉をかけ続け、そして将棋の面ではそっと見守る、そんな関わり方をしていたのではないかと想像しています。
 一方、学校生活で考えてみると、1年生は、既にいろいろな言葉を見に付けて小学校に入学してきます。子供が話す言葉を聞くと、その子が日頃耳にしている言葉の環境を想像することもあります。
 条件面をより良く整えることはすぐにできることではありませんが、子供にかける言葉は大人の意識次第です。日頃から子供の自己肯定感を高め、成長に繋がるような言葉をかけていきたいものです。
 さて、長い夏休みが始まります。子供にとっていろいろなことに出会うチャンスがあり、何かに夢中になって打ち込む時間もたっぷりあります。もしかしたら、この夏休みでの出会いがきっかけとなって将来…、なんてこともあるかもしれません。そう考えると子供たちだけでなく、大人にとっても、わくわくする夏休み、とはならないでしょうか。
 光っ子たちがいろいろなことに出会い、大きく成長して、また9月に会えることを楽しみにしています。すてきな夏休みをお過ごしください。


光が丘新聞         2017/8/5

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