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【記事】
「スターボ!」「下・下!!」「風がなくて動けません!」 平成20年の春は天候にも恵まれ、東京湾にも相模湾にもいい風が吹いています。何年ぶりになるのだろうか、強い日差しの中、仲間たちと共にヨットレースに出るのは。 今年の正月も友の家に集まり、恒例として毎年繰り返される酒宴「新年会」が始まりました。またまた話題は25年も前の悲惨な結末、鳥羽パールレース(このレースの顛末は、前回寄稿した「つれ連れ草」2007/5/5にあります)。誰がどうしたとか、何がどうなったとか、今では何の約にもたたない話が続きます。集まる仲間は高校時代からの友人と大学当時からの付き合い仲間で総勢6人です。髪が白くなった者、老人性白内障になった者、おでこがやたらと広くなり、James Taylorにそっくりのいい男になった者等々、どこから見ても若々しいなどという言葉は当てはまりません。毎年会い、一緒に年を重ねているから若いときの気分のままなのでしょうが、それぞれの子供たちは、そろそろ社会人になりつつあります。酒も進み、「そうだ、あいつの所へ行こう」と誰ともなく言い出しました。集まった中の一人は全く酒を受け付けません。これも毎年恒例、運転手にして出発です。 あいつとはデザイナー。唯一の独身、兄との二人暮らしです。ここ何年か、新年会に出席していません。それというのも、私達の病を一人で受け付けているようで、今現在は帯状疱疹により、視覚に問題が出ています。「こんばんは」と玄関を入ると、「やっぱり来たね」とお兄さんのお出迎え。2階にいるよと案内され、「明けましておめでとう」と部屋にはいると、なんだか落ち込んだ友の様子。大晦日に愛猫が無くなったのです。晦日に用意した真新しいゲージの中で。正月の挨拶がお悔やみへと変わり、それでも友を励まそうと新年会の続き、大騒ぎです。 友がポツリと言いました。「仲間はいいな。また船に乗りたい。」と。この一言でおやじのヨット「ミネルバ」の再結集、再出港が決まりました。毎月1回、週末に春の風に吹かれ、時に「マスト・アビーム!」の声と共にマーク(ブイ)を回っています。初戦は着順2位、第2戦は1位と好調です。レース後の描地までの2時間程度のセーリング。昔話を肴に、缶ビールにほろ酔いながら……。 これでは、12倍早く年を取るかもしれません。
昭和30年 東京都出身 杉並区在住
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