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【記事】
こんにちは赤ちゃん。一月半ばの寒い日の午後、元気な産声が産院に響き渡ります。この世にまたひとり新しい命が生を享けました。待ち望んでいた愛しい初孫誕生の瞬間です。 看護師の腕の中でまっさらなおくるみに包まれて登場した赤ちゃんはまさに天使のごとく可愛い女の子。顔は小さく色白で、白魚の指の先には桜貝のように透き通った薄桃色の爪。誰もが思わず頬擦りしたくなる。にもかかわらず、泣き方はまことに凄まじい。顔半分ほど大きく口を開き、喉の奥まで震わせて、真っ赤な顔でオンギャアオンギャアと泣きじゃくるのです。時折チュッチュッと左右の産着の袖を吸って、まるで母親のお乳を探しているかのよう。母と児は、乳を吸う、吸われることで互いの本能を高めていくと聞きます。母となった長女に抱かれると、顔が和らぎ、泣き声も甘えるように弱まったことには感服しました。十か月の苦労はここで報われるのです。 こんな情景を見せられると、経験者としては自分自身の子育ての時期を思い起こすもののようです。あの頃、小さなわが子と一日中対面していた私は、帰宅した夫の顔が馬のように大きく見えて驚愕しました。その上、出産祝に来て下さった仲人(夫の上司)に真顔でその話をしてしまい、爆笑されたものです。その幼子が母となり、今、目の前で子をあやしています。親から子へ、子から孫へと命が継承されていることの神秘、そして命の尊さをあらためて実感しました。 さて、そんな可愛い初孫と新米ママを産院に残して帰る道すがらには、もう祝事の打合せが始まりました。お姑さんと私とが互いの知恵袋を公開し合っての競合第一弾といったところでしょうか。ここ数か月の内にお七夜、お宮参り、初節句…と、周囲の大人にとっては大いに楽しみな行事が続きます。幼子への愛を形に現わす意味で当然気合いが入るというものです。ふと初孫の誕生に相好を崩す夫の顔が目に浮かびました。実家の親の采配がどこまで届くやら…。時には両家による孫とり合戦があるかもしれません。それも良しです。お父さん、お互いにもうひと頑張りしましょう! 小さな天使が人生半ば過ぎの私達に新たな夢と希望をもたらしてくれました。天使の名前は弥玖(みく)です。 「こんにちは弥玖ちゃん、私がバアバよ。」
昭和28年 東京都生まれ 光が丘3丁目在住
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